第1部:はじめに

「高性能」という言葉は、優秀な学生、才能あるバイオリニスト、勤勉な社員など、さまざまなイメージを呼び起こします。共通するのは、平均を超え、期待を上回り、優れた方法で成果を上げるという点です。彼らは限られた条件の中で最善の結果を出し、実行過程の質も確保します。最も重要なのは、その優秀さを持続させ、自身と周囲に良い影響を与えることです。

このような特徴は、高性能建築(High-Performance Buildings – HPBs)にも当てはまります。HPBは統合的なアプローチで設計され、優れた設計品質を達成するために多様な基準に焦点を当てています。米国エネルギー独立安全保障法(EISA)2007年は、HPBを次のように定義しています:

「建物のライフサイクル全体にわたり、エネルギー節約、環境、安全性、耐久性、アクセス性、コスト効率、生産性、持続可能性、機能性、運用性などの主要な性能要素を統合的かつ最適に設計された建物。」

この定義は建築性能のあらゆる側面を網羅していますが、現代の多くのHPBは、エネルギー効率、経済的利益、そして居住者の健康に焦点を当てています。人の快適性や環境への影響を包括的に考慮することで、HPBは従来の「持続可能な設計」から一歩進んだ総合的な品質設計の基準を追求します。これは、主に炭素排出ゼロを目標とするAIA 2030のような従来の目標とは異なる包括的なアプローチです。

第2部:なぜ高性能設計が重要なのか?

高性能建築の設計には、多くの基準や複雑な要素が関わるため、本当にその努力に見合う価値があるのか疑問に思う人もいるかもしれません。
その答えは明確です:「はい、価値があります」

現在、建築物は世界全体の**年間CO₂排出量の約40%**を占めており、その多くは運用時のエネルギー消費や建設材料の製造によるものです。

🌍 環境への直接的・間接的影響

建物は環境に間接的に影響を与えるだけでなく、地域の生態系にも直接的な損害をもたらすことがあります。たとえば:

  • 脆弱な地域への建設

  • 在来植生の破壊

  • 生物多様性の低下

  • 水流や自然の水循環への干渉

💧 水の問題

水の供給・処理プロセスは非常にエネルギーを消費します。都市行政によって消費されるエネルギーの30〜40%は水に関するものです。
また、国全体の水源の87%が淡水に依存しており、地下水の枯渇や貯水池の減少が懸念されています。
アメリカでは、1日に約390億ガロン
の水が建物によって消費されています。

🏥 人間の健康への影響

環境への影響に加え、建物は居住者の健康にも大きな影響を及ぼします。特にアメリカ人は87%の時間を屋内で過ごしているため、その影響は深刻です。

設計の悪い室内空間、つまり:

  • 自然光が不足している

  • 空気の質が悪い

  • 温熱的に不快

こういった空間は、生産性の低下や以下のような健康被害を引き起こす可能性があります:

  • 呼吸器系の病気

  • 慢性的な疲労

  • 頭痛

これらの多くは「シックビルディング症候群(Sick Building Syndrome)」と呼ばれ、建物の環境が原因で発生する一時的または慢性的な健康問題とされています。

第3部:高性能設計の利点

高性能建築設計は、すべての面で卓越性を目指す包括的かつ成果重視のアプローチです。
それは価値を測定し、継続的に改善することを目的としています。
このアプローチは環境・経済・人間の健康に多くの恩恵をもたらし、持続可能で健やか、かつ経済的にも合理的な暮らしを地域社会にもたらします。

1. 💰 経済的メリット

「高性能建築は高コストである」という認識は広く存在しています。これは性能基準の導入を妨げる主な要因の一つです。

しかし、多くの研究が示すように、高性能建築は初期投資を上回る長期的な経済的利益を提供します。たとえば:

  • 市場価値の向上

  • 運用・ライフサイクルコストの削減

さらに、以下のような間接的な節約効果もあります:

  • 居住者の健康・精神の改善

  • 人材の採用・定着率向上

  • 欠勤率の低下

  • 労働生産性の向上

🌱 グリーン認証の利点

LEED、WELL、Living Building Challenge などのグリーン建築認証制度は、建物の性能を高い基準で評価し、その資産価値と魅力を高めます。

グリーン認証を受けた建物は:

  • 通常の建物よりも16%高い価格で販売され

  • 高い賃料で貸し出され

  • 空室率が4.1%低い

💵 LEED 認証による経済効果(2015〜2018年)
  • エネルギー節約:12億ドル

  • 水の節約:1億4950万ドル

  • メンテナンス費用の削減:7億1530万ドル

  • 廃棄物処理コスト削減:5420万ドル

第4部:環境への影響

高性能建築設計は、パッシブデザインやエネルギー効率の高い戦略を通じて炭素排出量を削減するだけでなく、以下の要素でも環境負荷を軽減します:

  • 水の消費削減

  • 賢明な材料選択

  • 廃棄物の最小化

これにより、間接的なエネルギー消費とCO₂排出量もさらに削減されます。

🌍 例:LEED認証を取得した建物

LEED認証を受けた建築物は、通常の建物と比較して温室効果ガス(GHG)排出量が50%少ないというデータがあります。これは、以下の要因によるものです:

  • 水の使用量削減

  • 埋立地への廃棄物量の削減(48%減)

  • 自家用車による移動需要の削減(5%減)

🔢 データによる環境改善の効果
  • CO₂排出量:34%削減

  • エネルギー消費:25%削減

  • 水使用量:11%削減

  • ENERGY STAR 平均スコア:89/100

  • 一般商業建物と比べたエネルギー節約率:25%

  • 年間7800万トン相当の石炭使用削減

  • 130万トンのCO₂排出が回避

第5部:利用者の健康改善

**屋内環境の質(IEQ)**を向上させることは、建物利用者の健康に大きなプラスの影響をもたらします。
高品質な屋内環境とは、以下のような要素を備えています:

  • 化学物質を含まない清浄な空気

  • 快適な温度と湿度

  • 自然光へのアクセス

✅ これらの要素がもたらす効果:
  • 従業員の採用と定着率の向上

  • 労働生産性の向上

  • 病気による欠勤日数の減少
    (特にアレルギー、うつ病、ストレス関連)

また、CO₂排出量の削減によって屋外の空気質も改善され、大気汚染の軽減に貢献します。これは地域社会全体の健康にも良い影響を与えます。

😌 健康面での具体的な利点:
  • 室内汚染物質や不快な臭いを除去

  • 汚れた空気の再循環を防止

  • 効果的な外気換気システムの確保

  • CO₂濃度の低下による認知力と覚醒力の向上

  • 自然光の取り入れにより、**生体リズム(概日リズム)**を維持 → 生産性の向上

📈 健康とパフォーマンスによる経済効果(10年間で)
  • 生産性向上による利益:55.47ドル/㎡

  • 健康改善による利益:9.03ドル/㎡
    ⇒ 病欠や医療コストの削減につながる

第6部:高性能設計を設計プロセスに統合する

高性能建築は考慮すべき要素が多岐にわたるため、設計プロセスに統合するのは容易ではありません
では、どこから始めればよいのでしょうか?
どのような基準を設定すればよいのでしょうか?
コストを管理しながら効果的に統合するにはどうすればよいのでしょうか?

🔍 ステップ1:設計ビジョンの明確化

まずは、単なる機能的な要求を超えて、美しさ・意味・未来的な持続性を持った全体的なビジョンを設定する必要があります。

そのために、設計チームは以下を深く理解する必要があります:

  • 敷地の微気候(マイクロクライメート)

  • 地域生態系

  • 地形や水循環の条件

  • 風向・降雨

  • 気候変動や自然災害のリスク

→ これらのデータをもとに、敷地の制約を創造的な機会と捉え、地域性に適応した設計ソリューションを開発する。

🎯 ステップ2:具体的な性能基準の設定

ビジョンと敷地条件を把握したうえで、プロジェクトに適した性能基準を選定し、そのプロジェクト固有の「高性能設計」の定義を明確にする。

適用可能な主な基準:

  • ASHRAE Standard 189.1(国際的なグリーン建築基準)

  • LEED、WELL、LBCなどの認証制度

これらの基準は多くの場合、以下の内容を含みます:

  • 統合的設計

  • 公平なコミュニティ

  • 周辺の生態系との共生

  • 水・エネルギー・資源の管理

  • 健康・レジリエンス(回復力)

  • 学びと創造性の促進

📏 ステップ3:性能基準を具体的な目標に変換

設計チームは以下を行う必要があります:

  • 各プロジェクト段階における性能測定のマイルストーンを設定

  • データ駆動型の意思決定プロセスを導入

  • 比較評価のための**KPI(主要業績評価指標)**を策定

⚙️ サポートツール

性能評価や基準設定を支援する主要ツール:

  • ENERGY STAR/AIA Zero Tool:EUI(エネルギー使用強度)を設定

  • EPA Portfolio Manager:水使用量の追跡

  • CBE Survey Toolkit:ユーザーの快適性調査

🌞 パッシブデザイン – 低コスト・高効果

パッシブな設計戦略は、初期のアイデア段階で優先的に検討する必要があります。たとえば:

  • 建物の配置と向き

  • 建物形状と空間構成

  • 自然採光戦略(デイライティング)

  • 自然換気

  • 立面計画と日射遮蔽

  • 微気候を助けるランドスケープ設計

第7部:統合設計プロセスとデジタルツール

🤝 統合設計(Integrated Design)– 多分野連携による解決策

高性能設計の効果を最大限に引き出すには、統合設計プロセス(IDP)を導入することが重要です。
これは、以下のような多分野の専門家が連携しながら意思決定
を行う対話型プロセスです:

  • 土木エンジニア

  • MEP(機械・電気・配管)エンジニア

  • 建築家

  • インテリアデザイナー

  • ランドスケープデザイナー

この協働によって、**シナジー(相乗効果)**が生まれ、多面的な価値と低コストの設計解決策が実現します。

💡 初期設計段階での導入の利点

パッシブ戦略に関する早期の議論により、各分野の調整がスムーズになります:

  • 建物の形状、立面、窓の位置とサイズの設計

  • 日射遮蔽や植栽による微気候の保護

  • 冷暖房負荷の削減

  • MEP機器のサイズ縮小

このプロセスは次のような方法で組織されます:

  • グリーンデザイン・シャレット(ワークショップ)

  • 発注者と設計チームによるキックオフ会議

ここでは以下が行われます:

  • 環境戦略の決定

  • 性能目標の合意

  • 設計性能計画(Performance Plan)の策定
     → 環境目標とその実施戦略の要約

🧰 デジタルツール – 高性能設計の強力なアシスタント

デジタルツールは、分析・シミュレーション・可視化を通じて以下を支援します:

  • 複雑な技術データの理解

  • 多次元情報の効果的な伝達

  • 精度の高い意思決定

  • 設計要素の最適化

  • 認証基準への準拠

🔍 よく使われるアプリケーション:
  • エネルギーシミュレーション

  • HVAC負荷計算

  • 採光・グレア(眩しさ)の分析

  • ユーザー快適性の評価

  • コスト最適化

  • 水使用量の分析

また、カスタムワークフローや新技術も普及しつつあり、これらは統合設計の新たな標準となりつつあります。
→ 建物性能を包括的かつ正確に測定するための基盤を提供します。

第8部:高性能設計チェックリスト

🔲 I. 敷地選定
  • 適切な敷地を選定:制限区域や環境的に脆弱なエリアを避け、再利用可能な土地や既存インフラに近い敷地を優先する

  • 敷地の持続可能な開発を行う:

    • 日照・土壌条件に基づくランドスケープ設計

    • 既存水循環への影響を最小限に

    • 地表の自然被覆を回復

    • 地形を活かし、掘削・埋立量を削減

    • 敷地内の生態系保全

🔲 II. 敷地計画設計
  • 建築と景観の調和を最適化:

    • 建物の向きを最適化し、自然光・風・交通を活かす

    • 緑地、水面、庇などで微気候を改善

  • 創造的な駐車対策:共有駐車場で舗装面積と熱負荷の削減

  • 開発面積の縮小:自然景観の保護と生態系の保存

  • 雨水の管理と活用:

    • 自然な流れの保持

    • 透水性のある舗装使用

    • 雨水の非飲用用途への再利用

    • 生物処理システム(バイオスウェール等)で現地浄化

  • 持続可能なランドスケープ:

    • 水の少ない植物を選定

    • 土壌の質を改善

    • 維持管理コストの削減

    • 地元調達・再利用・リサイクル材料の使用

🔲 III. 建築設計
  • パッシブデザインを最大限活かす建物配置と形状

  • 採光と日射制御:

    • 窓と建物の向きで自然光を確保

    • 室内空間を光が届きやすいように設計

    • 自動照明制御システム導入

  • 自然換気・パッシブ冷暖房の採用

  • 外皮設計:

    • 高性能な窓枠

    • 気候に適したガラス選定

    • 高断熱化

    • 外皮内の空気・湿度管理

  • 室内空間構成:

    • 機能性・快適性・資源効率を両立するゾーニング

🔲 IV. 室内環境品質(IEQ)
  • 空気品質:汚染源の根本管理

  • システムの制御性:利用者が温度・光・換気を調整可能に

  • 音環境:

    • 外部騒音の遮断

    • 設備や配管の防音対策

🔲 V. 機械システムとエネルギー
  • エネルギー源選定

    • 冷暖房負荷の削減を優先

    • 太陽熱利用、自然換気、日照、再生可能エネルギーの活用

  • HVACシステム:

    • 効率的な暖房・冷房の統合設計

    • 熱回収の最大化

    • 負荷に適した機器選定

    • 環境負荷の少ない冷媒使用

  • 配管・制御システム最適化:

    • 省エネ・省コスト運用

    • センサー・自動制御の活用

  • 給湯・プロセス設備:

    • 効率的な給湯システム

    • スチーム・圧縮空気の最適化

  • 換気と室内空気管理:

    • 新鮮空気の供給と効率的混合

    • 自然換気の優先

    • フィルタリングとダクト管理

  • キャンパス施設の場合:

    • セントラル空調・暖房の導入検討

🔲 VI. 照明・電気機器・エネルギー管理
  • 省エネ照明:

    • 高効率照明器具の採用

    • タイマー・センサーによる照明制御

    • 屋外照明の節電対応

  • 効率的な電気機器とシステムの採用

  • エネルギー負荷管理:

    • HVAC・換気システムの最適化

    • 電気・水・蒸気・冷水の消費計測

  • 電力供給:

    • 高効率な電力源の選択

🔲 VII. 水の管理
  • 節水対策:

    • 節水型ランドスケープ設計

    • 建物内部の水使用削減戦略の実施

🔲 VIII. 材料と資源
  • 建設廃棄物の削減:

    • 新築よりも改修を優先

    • 効率的な材料使用

    • 再利用・再生材の活用

    • 廃棄物の分別とリサイクルの推進

    • 埋立廃棄物を資源化によって削減

  • 低放出材料の使用:室内空気質を改善

  • ライフサイクル評価済みの環境負荷の少ない材料を優先

🔲 IX. 建設プロセス
  • 持続可能な建設管理:

    • 高性能施工の研修と現場管理

    • 建設廃棄物管理計画の実施

    • 作業者の健康と安全確保

    • 環境・地域社会への配慮

🔲 X. コミッショニング(性能検証)
  • 基本システムの性能検証:

    • 設計・設置・調整が計画通りに行われているか確認

  • 工事監理段階の管理:

    • システムの設置と運用を監視

  • 最終検収段階の管理:

    • 性能目標に沿って完成したかどうかの検証・記録

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建築家のためのガイド:持続可能な設計を通じて2030年目標を達成する

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持続可能な未来を設計する 目次 2030チャレンジの概要 常にパッシブ戦略から始める 建築形状の検討 効果的な建物外皮の設計 空気漏れと施工の実践 アクティブ戦略 先進的な建物制御システム 省エネルギー機器とシステム 再生可能エネルギー 結論 第1章:2030チャレンジの概要 「2030チャレンジ」は、建築業界全体がエネルギー効率の最適化戦略を優先し、建物が環境に与える負の影響を最小限に抑えることを目的とした、全国規模の取り組みです。このイニシアチブは、報告のための標準的な枠組みを提供し、すべての建築設計会社が年間エネルギー使用量(EUI)の削減目標を競い合うことを可能にします(2023年の目標は基準値から80%の削減)。 2006年以降、アメリカ建築家協会(AIA)は「2030チャレンジ」を採用し、建築設計会社に対し、化石燃料の消費、温室効果ガス(GHG)の排出、およびエネルギー使用量の削減をプロジェクトにおいて推進するよう奨励しています。2030年に向けて、削減目標は段階的に増加し、すべての参加企業がネットゼロ(正味の排出量がゼロ)を達成するための経験と知識を蓄積することが期待されています。 第2章:常にパッシブ戦略から始める パッシブ戦略(またはパッシブ設計)は、建物の内部空間をエネルギーを使用せずに快適な温熱環境に保つために、地域の気候や現地の条件を活用する設計手法です。これらの要素は、自然の条件を利用して空間を冷却、加熱、日射遮蔽、または換気し、冷暖房の負荷を軽減します。 パッシブ戦略を採用する設計には、制約要因を理解し、機械的なシステムに頼らずに設計上の解決策を提供することが求められます。一般的な例として、以下が挙げられます: 🔸 建物の形状と方位...

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sDA 指標(Spatial Daylight Autonomy – 空間的昼光自立性)は、建築設計、特に基本設計段階において非常に重要な指標です。この指標は、形状、材料、機能配置などに関する戦略的な意思決定を導くのに役立ちます。以下は、sDA がこれほど重要である理由です: 🌞 1. 形状設計と空間配置の方向性を決める sDA は、ある空間のうち自然光(例:300ルクス以上)を日中の使用時間の少なくとも50%以上で受ける面積の割合を評価します。 基本設計段階では、この指標が以下のような設計判断に貢献します: - 窓をどこに設置し、どのくらいの大きさにすべきか。 - どの立面を最適化して採光を確保すべきか。 - 建物のボリュームを凹ませるべきか、突出させるべきか、自然光の効果を高めるための形状戦略。 🧠...

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